自宅の外壁塗装の準備は、大きな一歩ですね。外壁は家の「顔」であり、その色選びは家の印象を大きく左右するだけでなく、住み心地やメンテナンスのしやすさにも関わる重要な決断です。
「何色にしたらいいかわからない」という悩みは、多くの方が抱えるものです。一生に何度もない大きな買い物だからこそ、失敗したくない、後悔したくないという思いがあるでしょう。
この記事では、そんなあなたの色選びを成功に導くためのステップ、人気の色とそのメリット・デメリット、そして後悔しないための具体的なポイントをお話していきます
PR 日本で唯一建築士が運営する外壁塗装一括見積サイト1. なぜ外壁の色選びは難しいのか?

外壁の色選びが難しく感じられるのには、主に以下の3つの理由があります。
理由1:色の「面積効果」
小さな色見本(塗板)で見た色と、実際に外壁全体に塗られた色とでは、見え方が大きく異なります。これを**「面積効果」**と言います。
- 明るい色(白やベージュなど):大きな面積に塗ると、見本よりもさらに明るく、薄く見える傾向があります。
- 暗い色(黒や濃いグレーなど):大きな面積に塗ると、見本よりもさらに暗く、濃く見える傾向があります。
「見本ではちょうど良かったのに、塗ったら思ったより明るすぎた・暗すぎた」という失敗を防ぐため、A4サイズ以上の大きな色見本で確認することが非常に重要です。
理由2:天候・時間帯による見え方の変化
色は、太陽光や天候によって見え方が劇的に変化します。
- 晴れの日:色が鮮やかで明るく見える。
- 曇りの日:色が落ち着き、暗く見える。
- 朝・夕方:光の角度や色が変わり、特に夕方は暖色系(赤み)が強く見える。
色見本は、家の外壁に当てて、晴れの日と曇りの日、朝・昼・夕方と時間を変えて確認しましょう。
理由3:周囲の景観との調和
自宅の美しさだけでなく、街並みという大きな風景の一部として、近隣の家や自然環境との調和を考える必要があります。周囲から浮いてしまうような派手な色は、後悔につながりやすい要因の一つです。
2. 失敗しないための色選び3ステップ

色選びをスムーズに進めるために、まずは以下の3つのステップで考えを整理しましょう。
ステップ1:家の「コンセプト」を決める
まず、「どのような家にしたいか?」のイメージを明確にします。
求める印象 | おすすめの系統色 |
清潔感・開放感 | ホワイト、アイボリー系 |
温かみ・優しさ | ベージュ、クリーム系 |
重厚感・モダン | ダークグレー、ネイビー、ブラック系 |
落ち着き・自然 | ブラウン、アースカラー(カーキ、オリーブグリーン)系 |
個性的・スタイリッシュ | ツートンカラー(2色使い)など |
家のデザイン(和風、洋風、モダンなど)も考慮し、全体としてどんな雰囲気にしたいか、ご家族で話し合ってみましょう。
ステップ2:ベースカラー・アクセントカラーの比率を決める
外壁塗装は、一般的に3つの色で構成されます。
- ベースカラー(全体の70%以上):外壁の大部分を占める色。家の印象を決定づけるメインカラーです。失敗しにくい中間色(ベージュ、グレー、アイボリーなど)を選ぶのが基本です。
- アソートカラー(全体の20〜30%):屋根や付帯部(雨樋、破風板など)の色。ベースカラーとの調和を考えます。一般的に、屋根は濃い色にすると家全体が締まって見えます。
- アクセントカラー(全体の5%以下):玄関ドア、窓枠などの色。全体の印象を引き締めるための差し色です。
特に、ベースカラーと屋根の色(アソートカラー)の相性が、家の印象を左右します。
ステップ3:汚れの目立ちやすさ・耐久性を考慮する
色によっては、汚れや紫外線による色あせの目立ちやすさが異なります。
特徴 | おすすめの色 |
汚れが目立ちにくい | グレー、ベージュ、アイボリー、薄いブラウンなどの中間色。土埃や排気ガスの中間色と似ているため、汚れがカモフラージュされやすいです。 |
色あせが目立ちにくい | 白、黒、青、ベージュ、クリーム色。鮮やかすぎる色(赤、黄色など)は、一般的に色あせが目立ちやすいとされます。 |
熱の吸収(夏場の室温) | 白系は光を反射しやすく、黒系は光を吸収しやすいです。真夏日の室温上昇を抑えたい場合は、遮熱塗料の採用や白系の色を選ぶのがおすすめです |
3. 外壁塗装で人気の色とそのメリット・デメリット

多くの方が選ぶ人気色には、それぞれ理由があります。
👑 第1位:ベージュ・アイボリー系(クリーム色含む)
長年、人気No.1を誇る定番色です。
- メリット:汚れが目立ちにくく、周囲の景観に馴染みやすい。温かみがあり、飽きがこない。和風・洋風どちらにも合わせやすい。
- デメリット:無難すぎて個性が薄いと感じる人もいる。色のトーンによっては、古びた印象になる可能性がある。
👑 第2位:グレー系(ライトグレー・チャコールグレー)
近年、モダン住宅を中心に人気が急上昇している色です。
- メリット:汚れが極めて目立ちにくい。シックでモダン、洗練された印象になる。ライトグレーは爽やかに、チャコールグレーは重厚感を演出できる。
- デメリット:トーンを間違えると、単調で暗い印象になりがち。
👑 第3位:ブラウン系(モカ・ダークブラウン)
自然と調和し、落ち着いた高級感を演出できます。
- メリット:重厚感があり、安定した印象。汚れが目立ちにくい。木目調の玄関やサッシとの相性が抜群。
- デメリット:濃色を選ぶと、面積効果で非常に暗く見え、家が小さく見えることがある。
4位:ホワイト系(オフホワイト・ニュートラルホワイト)
清潔感あふれる、明るい印象の家になります。
- メリット:清潔感、開放感があり、家が明るく広く見える。どんな屋根の色とも合わせやすい。
- デメリット:雨だれやコケなどの汚れが非常に目立ちやすい。低汚染塗料(汚れにくい塗料)の採用を検討するべき。
5位:ネイビー・ブルー系
個性的でありながら落ち着きもあり、モダンで知的な印象を与えます。
- メリット:スタイリッシュで他とは違う個性を出せる。白やグレーとの相性が良く、ツートンカラーに最適。
- デメリット:濃色は熱を吸収しやすい。比較的、色あせが目立ちやすい傾向がある(塗料の選定が重要)。
4. 知っておきたい!プラスアルファの色選びの視点
視点1:風水の考えを取り入れる
色選びに迷ったら、風水の考え方を参考にしてみるのも良いでしょう。外壁の色は、住む人の運気に影響を与えると考えられています。
- 金運アップ:黄色、白、シルバー、またはそれらを組み合わせた色。
- 健康運・家庭運アップ:緑、茶色、ベージュ。大地や自然を連想させる色が安定をもたらします。
- 仕事運・勉強運アップ:青、紺、グレー。知性や誠実さを象徴する色。
家の中心(中央)に黒や濃い青などの暗い色を使うのは避けるべき、北向きの外壁には暖色系(白、ピンク、オレンジなど)を取り入れて冷たい気を和らげる、といった方角と色の相性もあります。
視点2:ツートンカラー(2色使い)のポイント
ツートンカラーでおしゃれな外観にしたい場合、色の組み合わせと配色バランスが重要です。
- 同系色の濃淡:グレーとチャコールグレー、ベージュとブラウンなど、同系色で濃淡を変えると、失敗が少なくまとまりが出ます。
- 人気の組み合わせ:ネイビー×ホワイト、グレー×ダークグレー、ベージュ×ブラウンなど。
- 色の比率:基本は7:3または6:4の比率で塗り分けると、バランスが良く見えます。
- 塗り分けの場所:上下で色を分ける(1階と2階)、ベランダ部分だけ色を変える、左右で色を分けるなどがあります。上下で分ける場合は、暗い色を下にすると安定感が増します。
視点3:サッシ・屋根・玄関との調和
外壁の色を選ぶ際、変えられない部分である「サッシ(窓枠)」の色と、「屋根」の色、「玄関ドア」の色との相性を絶対に忘れてはいけません。
- サッシ(シルバー、白、黒、茶が多い):サッシの色を拾って、外壁も同じ系統の色でまとめると統一感が出ます。例えば、白のサッシなら外壁も白系や薄いグレー、黒のサッシなら外壁も濃いめのグレーやネイビーが合います。
- 屋根:外壁より濃い色を選ぶと、家全体が引き締まります。外壁が淡色(ベージュ・白)なら屋根は黒や濃茶、外壁が濃色(ネイビー・グレー)なら屋根も同系色の濃色を選ぶとまとまります。
5. 後悔をなくすための最終チェックリスト
最終的に色を決定する前に、以下の項目を必ずチェックしましょう。
- 大きな色見本で確認したか?(面積効果を考慮したか)
- 晴れの日、曇りの日、朝、昼、夕方と、色々な条件下で色見本を確認したか?
- 屋根、サッシ、玄関ドアの色との調和が取れているか?
- 近隣の家や街並みから浮きすぎていないか?
- メンテナンスを考慮し、汚れや色あせが目立ちにくい色を選べているか?
- 選んだ色が、家のコンセプトやデザインに合っているか?
- 可能であれば、カラーシミュレーションを活用して全体像を確認したか?
外壁塗装は、あなたの家を長期間守り、美しく保つための大切な作業です。色選びに時間をかけることは、決して無駄ではありません。
このガイドを参考に、あなたが心から満足できる「理想のわが家」を実現できることを願っています。ぜひ、納得のいく色を見つけて、新しい生活をスタートさせてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
以上、コロコロでした!
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