空き家の実家を売却する7つの鉄則|放置する前にやること

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空き家の実家を売却する7つの鉄則と放置する前にやることを解説するイメージ 不動産・投資

「親が亡くなって実家を相続したけれど、誰も住む予定がない」

「思い出があるから売る決心がつかない」

「古い家だから、どうせ売れないのでは?」

空き家になった実家をどうするかは、簡単には決められません。

私も不動産業界に28年以上携わってきましたが、実家の売却では「お金」だけではなく、家族の気持ちや思い出が関わるため、判断を先送りしてしまうケースを何度も見てきました。

しかし最初にお伝えしたいのは、

「売るかどうか」と「今の価値を知ること」は別です。

売却すると決めていなくても構いません。

まず、

今の実家はいくらなのか。

そのまま売れるのか。

修繕や解体が必要なのか。

を確認してください。

何も分からないまま空き家を何年も保有することが、最も判断しにくい状態です。

この記事では、相続した空き家や使っていない実家で後悔しないための「7つの鉄則」を解説します。

空き家は「何もしない」が一番ラクとは限らない

誰も住んでいない実家を前に今後を考える家族

「とりあえず、そのままにしておこう」

空き家を相続した直後は、この判断をする方も多いでしょう。

急いで売る必要がなければ、すぐ処分する必要はありません。

しかし所有している以上、

固定資産税

草木の管理

建物の点検

火災・防犯対策

台風後の確認

修繕

などの負担は続きます。

しかも建物は、人が住んでいなくても古くなっていきます。

数年後、

「そろそろ売ろう」

と思ったときに、

雨漏り。

庭木の繁茂。

設備故障。

外壁劣化。

残置物。

などが増えていれば、売却前に余計な費用や手間が発生する可能性があります。

だからといって、

「空き家は今すぐ売れ」

ということではありません。

重要なのは、

放置する前に、保有と売却を比較することです。


不動産売却そのものの流れから確認したい方はこちらも参考にしてください。

➡不動産売却完全ガイド|家を高く・早く売る7つの鉄則


鉄則1|まず名義と権利関係を確認する

登記資料や相続関係の書類を確認する家族

空き家を売ろうと思っても、所有関係が整理されていなければスムーズに進みません。

まず確認したいのは、

・現在の登記名義
・誰が相続したのか
・相続人は何人いるのか
・土地と建物の名義
・共有持分の有無

です。

例えば、

「長男が実家を管理している」

からといって、長男だけの判断で売れるとは限りません。

複数の相続人による共有になっていれば、売却にあたって関係者との調整が必要になる場合があります。

まず登記事項証明書などを確認し、

「誰の不動産なのか」

を整理してください。

なお、2024年4月1日から相続登記が義務化されています。相続によって不動産を取得したことを知った場合は、原則としてその日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。過去に相続した不動産で登記が済んでいない場合も対象になることがあるため、早めに確認しましょう。

参考:法務省「相続登記の申請義務化について」

分からない場合は、司法書士など専門家へ相談する方法もあります。

鉄則2|空き家の維持費を一度数字にする

固定資産税や管理費を計算する女性

空き家を所有していると、

「今すぐ大きなお金が出ているわけではないから」

と維持費を見落としがちです。

しかし実際には、

固定資産税

火災保険

庭の手入れ

交通費

水道・電気の基本料金

修繕費

マンションなら管理費・修繕積立金

などが発生する可能性があります。

例えば年間20万円でも、

5年なら100万円です。

そこへ屋根や外壁の修繕が必要になれば、負担はさらに増えます。

そこで一度、

「あと5年持ったらいくらかかるか」

を計算してください。

売却価格だけを見るのではなく、

保有し続ける費用

と比べることが重要です。


空き家の実家がいくらで売れるか確認してみる

古い実家でも、不動産会社によって「中古住宅として売る」「古家付き土地として売る」「買取を検討する」など評価や提案が変わります。

まだ売却すると決めていなくても、まず複数社の査定を比較して現在の価値を確認しておくと、今後の判断がしやすくなります。

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★★4コマ漫画|「そのうち売ろう」と放置した実家★★

相続した実家をどうするか相談する夫婦
相続した実家の固定資産税の納税通知書を見ながら暗い気持ちになる夫婦
相続した実家の修繕の見積書を見てくらい気持ちになる夫婦
複数の不動産会社へ査定を依頼。

土地として評価してくれる会社も見つかる。

夫婦

「もっと早く価格だけでも確認しておけばよかった!」
安心する夫婦

鉄則3|「管理不全空家」になる前に対策する

老朽化した空き家を点検する家族と専門家

空き家だからといって、すぐ行政から問題視されるわけではありません。

しかし管理状態が悪化すると話は変わります。

例えば、

屋根や外壁が危険な状態。

草木が周辺へ越境。

衛生状態が著しく悪い。

防犯上問題がある。

といった状況を放置するのは避けたいところです。

現在の空家法では、放置すれば「特定空家」になるおそれがある空き家を「管理不全空家」として、市区町村が指導・勧告できる仕組みがあります。

住宅用地には固定資産税の負担を軽くする特例がありますが、管理不全空家や特定空家として勧告を受けた敷地は、その住宅用地特例から外れる場合があります。

「空き家になった瞬間、税金が6倍になる」という意味ではありません。

重要なのは、

問題が深刻化する前に管理・活用・売却を考えることです。

空き家は、ただ使っていないだけなら問題ないとは限りません。管理されない状態が続くと、建物の倒壊や外壁・屋根材の落下、害虫・ねずみの発生、不法侵入など、周囲にも影響を及ぼす可能性があります。

また、適切に管理されていない空き家が「管理不全空家」や「特定空家」となり、市区町村からの指導後も改善せず勧告を受けた場合、その敷地は固定資産税等の住宅用地特例の対象から外れることがあります。

参考:国土交通省「空き家を放置するリスク」

鉄則4|片付け・解体・リフォームを査定前にしない

大量の家財が残った実家で片付けをするか悩む家族

実家売却でよくあるのが、

「全部片付けないと査定してもらえない」

という思い込みです。

そんなことはありません。

家具や荷物が残っていても、査定を依頼できるケースはあります。

同じように、

「古いから解体して更地にしよう」

「リフォームしてから売ろう」

と先に大きなお金を使うのも慎重にしてください。

物件によっては、

古家付き土地として売る。

現状のまま買い取ってもらう。

購入者がリフォームする。

という方法があるからです。

特に戸建てを解体する前には、再建築の可否や接道条件、解体後の税負担、売却時に利用できる税制上の特例などを確認しておきましょう。

接道条件などによっては、解体後に新しい住宅を建てることが難しい物件もあります。また、相続した空き家では一定の要件を満たすことで利用できる税制上の特例もあるため、解体を先に決めず、売却方法とあわせて確認することが大切です。

接道条件などによっては、解体後に新しい住宅を建てることが難しい物件もあります。

築年数が古く、旧耐震基準の可能性がある実家の場合も、「古いから売れない」「先に解体した方がいい」と決めつける必要はありません。建物の状態や土地としての価値を確認してから売却方法を判断しましょう。

➡ 旧耐震住宅は売れる?後悔しない売却7つの鉄則

まずは現状のまま査定を受け、売却方法や不動産会社の提案を確認したうえで、片付け・修繕・解体の必要性を判断しましょう。


片付けや解体をする前に、まず査定を

空き家は、先にお金をかけて片付け・解体・リフォームをするより、まず現状のまま査定してもらうことをおすすめします。

不動産会社によっては「そのまま売る」「土地として売る」「買取を利用する」など別の方法を提案してくれる場合があります。

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あなたの不動産いくらで売れる?

鉄則5|相続した実家は税金の特例も確認する

相続した実家の税金について専門家へ相談する家族

相続した空き家を売却する場合、条件によって税負担に関係する特例があります。

代表的なのが、

被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除

です。

一定の要件を満たす相続空き家などを売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度があります。

ただし、

すべての空き家に使えるわけではありません。

家屋の要件

相続時の状況

売却価格

売却時期

耐震性などの要件

などがあります。

また、相続人が3人以上など一定の場合には控除上限が異なります。

そのため、

「相続した家だから3,000万円まで無税」

と考えるのは間違いです。

相続した空き家の場合は、売却を決める前に税理士や税務署などへ適用要件を確認してください。

参考:国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

鉄則6|仲介・買取の両方を比較する

空き家売却で仲介と買取を比較する夫婦

空き家を売る方法は、一つではありません。

代表的なのが、

仲介買取です。

仲介

不動産会社に販売を依頼し、一般の購入者を探します。

市場で購入希望者を探すため、条件が合えば買取より高く売れる可能性があります。

一方、買主が見つかるまで時間がかかることがあります。

買取

不動産会社などが直接購入します。

築年数が古い。

荷物が残っている。

早く処分したい。

遠方で内覧対応が難しい。

といったケースでは選択肢になります。

ただし、一般的に仲介より価格が低くなる傾向があります。

だからこそ、

「空き家だから買取」

と最初から決めつけないでください。

仲介ならいくらなのか。

買取ならいくらなのか。

両方を比較しましょう。


早く売却したい方はこちらも参考にしてください。

➡不動産スピード買取完全ガイド|後悔しない7つの鉄則


鉄則7|空き家ほど複数社へ査定を依頼する

3社の空き家査定資料を比較する家族

古い空き家では、不動産会社によって査定の考え方が大きく変わる場合があります。

A社

「建物は古いので土地として評価します」

B社

「リフォーム需要があります」

C社

「買取ならこの条件です」

という違いが出ることもあります。

なぜなら、

会社ごとに、

・得意なエリア

・得意な物件

・購入希望者

・土地販売のノウハウ

・買取ネットワーク

が違うからです。

そのため、一社から、

「古すぎて厳しいですね」

と言われても、それだけで物件の価値を決めないでください。

比較するのは、

・査定額

・査定根拠

・仲介価格

・買取価格

・売却期間

・解体の必要性

・担当者

です。

空き家ほど、「いくらか」ではなく「どう売るか」まで比較してください。

空き家を売る7ステップ

空き家売却の流れを確認する家族

実家を売却する場合は、次の順番で進めると整理しやすくなります。

STEP1|所有者を確認

登記名義や相続関係を確認します。

STEP2|現在の状態を確認

建物、土地、家財、境界、接道などを確認します。

STEP3|複数社へ査定

現状のまま査定を依頼します。

STEP4|売却方法を比較

仲介、買取、古家付き土地などを比較します。

STEP5|必要な片付け・修繕を判断

査定後に必要な作業だけ行います。

STEP6|販売・契約

不動産会社を選び、売却活動を始めます。

STEP7|決済・引き渡し

代金を受け取り、所有権移転などを行います。

重要なのは、

STEP3より前に大きなお金を使いすぎないことです。

まず査定。

そして売り方を決める。

この順番を守りましょう。

遠方の実家でも売却できる?

「実家が遠くて、何度も帰れない」

という方もいるでしょう。

遠方の空き家でも、不動産会社へ相談できます。

まず、

物件所在地

築年数

土地面積

建物面積

現在の状態

など、分かる範囲で伝えましょう。

重要なのは、

空き家の所在地に強い会社を選ぶこと。

自分が住んでいる地域の不動産会社ではなく、物件がある地域の市場を理解している会社の方が、販売しやすいケースがあります。

遠方だからこそ、

連絡の早さ

説明の丁寧さ

現地対応

販売報告

まで比較してください。


担当者選びはこちらで詳しく解説しています。

➡不動産売却の営業担当者を見極める7つの鉄則


「売るか迷っている今」に価格を確認する

スマートフォンで実家の査定を比較する女性

空き家を売却するかどうか、今すぐ決める必要はありません。

しかし、

価格を知らないまま何年も放置すること

はおすすめしません。

まず、

現状のままならいくらか。

仲介ならいくらか。

買取ならいくらか。

を確認しましょう。

HOME4Uなどの一括査定サービスを利用すれば、複数の不動産会社へ査定を依頼して、価格や売却方法を比較できます。

一社だけの意見で、

「古いから価値がない」

と判断する前に比較してください。


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こんな空き家は早めに査定しておきましょう

老朽化した実家の現在価値を確認する家族

次のようなケースでは、売却を決めていなくても一度査定しておくと判断しやすくなります。

・誰も住む予定がない

・年に数回しか行かない

・固定資産税や管理費が負担

・草木や建物管理が大変

・築40年以上

・遠方にある

・複数人で相続した

・解体するか迷っている

・将来売却する可能性がある

査定を受けることと、売ることは別です。

価格が分かれば、

売却。

保有。

賃貸。

リフォーム。

解体。

という選択肢を比較できます。

まとめ|空き家は「処分する前」に価値を知る

空き家売却を終えて営業担当者と握手する家族

相続した実家には、家族の思い出があります。

そのため、

「売ったら後悔するかもしれない」

と考えるのは当然です。

だからこそ、焦って売る必要はありません。

しかし、

何も調べず放置する必要もありません。

今回の7つの鉄則を振り返ります。

鉄則1|名義と権利関係を確認する

鉄則2|維持費を数字にする

鉄則3|管理状態を悪化させない

鉄則4|査定前に片付け・解体・リフォームをしない

鉄則5|相続空き家の税制を確認する

鉄則6|仲介と買取を比較する

鉄則7|複数社の査定と売却方法を比較する

家族で話し合うためにも、まず必要なのは情報です。

そして最初に確認したい情報が、

「今、この実家はいくらなのか」

です。

売るかどうかは査定結果を見てから決める

まだ、

「本当に売るべきか」

決まっていなくても構いません。

まず現在価値を確認してください。

思っていたより価値があるかもしれません。

逆に、今後の維持費を考えると早めの売却が合理的かもしれません。

答えは物件によって違います。

だからこそ、一社だけではなく複数の査定と提案を比較しましょう。


相続した実家をどうするか迷っている方へ

売る・残す・解体するを決める前に、まず現在の価値を確認してみましょう。複数社の査定を比較すれば、実家に合った売却方法を考える材料になります。

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不動産売却そのものを最初から確認したい方はこちら。

➡不動産売却完全ガイド|家を高く・早く売る7つの鉄則

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