「自宅を売りたいけれど、忙しくて手続きに立ち会えない」「遠方に住んでいるので、地元の家族に任せたい」—そんなとき、不動産の代理人売却という方法があります。
代理人に自宅の売却を任せることは可能ですが、重要なお金のやり取りや契約が絡むため、いくつか注意すべき点があります。
この記事では、代理人による自宅売却のプロセスと、トラブルを避けるために知っておくべきポイントを解説します。
➡PR あなたの不動産いくらで売れる?代理人による自宅売却とは?
自宅の売却は、原則として売主本人が行う必要があります。しかし、病気や遠方在住、多忙などの理由で本人が手続きに立ち会えない場合、代理人を立てて手続きを進めることができます。
代理人が売主本人に代わって行った法律行為(売買契約の締結など)は、本人自身が行ったものと同じ効力を持ちます。この「代理権」を証明するために作成するのが委任状です。
📌 代理人を立てる主なケース
- 遠方に住んでいるため、現地での手続きが難しい。
- 多忙で、契約や決済の時間調整が難しい。
- 共有名義の不動産で、全員の都合を合わせるのが難しい。
- 手続きに不安があり、弁護士や司法書士などの専門家に依頼したい。
ステップ別!代理人売却の手続きの流れと必要書類
代理人による売却手続きは、主に「委任状の作成」と「売却手続きの実行」に分かれます。
1. 代理人の選定と準備
まず、最も信頼できる人に代理人を依頼します。親族や専門家(弁護士、司法書士など)に依頼するのが一般的です。
2. 委任状の作成と公正な手続き
代理権の範囲を明確にする委任状を作成します。
| 必要書類(主なもの) | 備考 |
| 代理権委任状 | 委任内容を明確に記載したもの |
| 委任者(売主本人)の実印 | 委任状に押印 |
| 委任者(売主本人)の印鑑証明書 | 3ヶ月以内に発行されたもの(実印の証明用) |
| 代理人の実印 | 契約書等に押印 |
| 代理人の印鑑証明書 | 3ヶ月以内に発行されたもの |
| 代理人の本人確認書類 | 運転免許証など写真付きのもの |
| 委任者(売主本人)の住民票 | 住所確認のために必要となる場合がある |
3. 売却活動から契約、決済・引き渡し
代理人は委任状に記載された範囲内で、売主本人に代わって以下のような手続きを行います。
| 主な代理行為 | 備考 |
| 媒介契約の締結 | 不動産会社との仲介契約 |
| 売買条件の交渉 | 売買価格、手付金などの交渉 |
| 売買契約の締結 | 買主との売買契約への署名・押印 |
| 決済(残金受領)と引き渡し | 買主からの残金受領、所有権移転登記の手続き(司法書士が担当) |
💡ポイント: 媒介契約や売買契約のたびに、代理人は「委任状」を提示し、「私は売主の代理人である」ことを明確に示します(これを顕名といいます)。
トラブル防止に不可欠!委任状作成時の7つの注意点
委任状は、代理人にどこまでの権限を与えるかを決める非常に重要な書類です。曖昧な記載は、後に大きなトラブルに発展する可能性があります。
1. 委任内容は「明確かつ限定的」にする
「一切の件」といった白紙委任は絶対に避けましょう。
- ✅ 具体例: 「売買価格は〇〇円~〇〇円の範囲で交渉する権限」「手付金は〇〇円まで受領する権限」など、金額や条件を具体的に記載します。
- 売買契約書に記載される内容(売買価格、引き渡し日など)を、できる限り委任状にも明記し、代理人の判断で勝手に条件が変更されないようにします。
2. 実印で押印し、印鑑証明書を添付する
委任状の効力を担保するため、委任者(売主本人)は実印で押印し、印鑑証明書を添付します。これは、本人の意思で委任したことの重要な証明となります。
3. 委任者と代理人の「住所」も記載する
同姓同名のリスクを避けるため、氏名だけでなく、必ず住所も記載し、当事者を確実に特定できるようにします。
4. 有効期限を設ける
委任状の悪用や流用を防ぐため、「令和〇年〇月〇日まで有効」など、必ず有効期限を明記しましょう。
5. 捨印は押さない
契約内容を修正する際に使用する「捨印」は、内容を勝手に書き換えられるリスクがあるため、委任状には押印しないようにしましょう。
6. 委任状の最後は「以上」で締めくくる
追記による改ざんを防ぐため、文書の最後に「以上」と記載して締めます。
7. 代理人とは常に連絡が取れるようにする
委任状に記載されていない事項が発生した場合、代理人は必ず本人に確認を取る必要があります。すぐに連絡が取れる体制を確保しておくことが大切です。
➡PR あなたの不動産いくらで売れる?無料査定サイト✅ まとめ
代理人による自宅売却は、売主本人の負担を軽減できる非常に有効な方法です。しかし、法律行為の効力は本人に帰属するため、代理人選びと委任状の作成は慎重に行う必要があります。
- 信頼できる代理人を選びましょう。(親族や専門家がおすすめです)
- 委任状には、代理人に与える権限の範囲を明確かつ限定的に記載しましょう。
- 実印と印鑑証明書で、委任状の効力を担保しましょう。
ご自身の意思が反映され、スムーズで安全な自宅売却が実現できるよう、これらの注意点をぜひご活用ください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
以上、コロコロでした!
PR




コメント