「住宅ローン控除の確定申告を忘れてしまった」
「もう1年以上経っているけど、今から申請できる?」
「会社の年末調整で住宅ローン控除を出し忘れた」
住宅ローン控除の申請を忘れたことに気づくと、
「もう控除を受けられないのでは?」
と心配になる方もいるでしょう。
しかし、申請期限を過ぎたからといって、すぐに住宅ローン控除を諦める必要はありません。
確定申告をする義務がない給与所得者などが住宅ローン控除による還付申告をする場合、原則として対象年分の翌年1月1日から5年間申告できます。
ただし、「申請を忘れた」といっても、
- 初年度の確定申告そのものをしていない
- 確定申告はしたが住宅ローン控除を入れ忘れた
- 2年目以降に会社の年末調整で手続きし忘れた
では、対応方法が違います。
この記事では、住宅ローン控除を申請し忘れた場合について、どの手続きが必要になるのかをケース別に分かりやすく解説します。
※住宅ローン控除の適用には住宅・所得・借入期間など一定の要件があります。個別の税務判断については、税務署や税理士などへ確認してください。
- 4コマ漫画
- 結論|住宅ローン控除を忘れても後から手続きできる場合がある
- まず確認|住宅ローン控除を「忘れた」は3パターンある
- ケース1|初年度の住宅ローン控除の確定申告を忘れた
- 数年間ずっと住宅ローン控除を申告していなかったら?
- ケース2|確定申告はしたが住宅ローン控除を入れ忘れた
- ケース3|2年目以降の年末調整を忘れた
- 住宅ローン控除を忘れたら最初にやる3つのこと
- 住宅ローン控除を後から申請するときの必要書類
- 住宅ローン控除を忘れた場合の手続き方法
- e-Taxでも住宅ローン控除を申告できる
- 何年も住宅ローン控除を忘れていた場合はどうする?
- 5年を過ぎたら住宅ローン控除はどうなる?
- 住宅ローン控除を忘れたら住民税はどうなる?
- 住宅ローン控除の申請忘れを防ぐ方法
- 住宅ローン控除を忘れた場合のチェックリスト
- 住宅ローン控除でよくある質問
- 住宅ローン全体についても確認しておく
- まとめ|住宅ローン控除を忘れたら「何年分・申告済みか」を確認する
4コマ漫画




結論|住宅ローン控除を忘れても後から手続きできる場合がある
まず結論です。
住宅ローン控除の申請を忘れても、一定の期間内であれば後から手続きできる場合があります。
特に会社員などで通常は確定申告をする必要がなく、住宅ローン控除を受けることで所得税が戻る「還付申告」に該当する場合、還付申告書は原則としてその年の翌年1月1日から5年間提出できます。
例えば国税庁は、
令和7年(2025年)分の還付申告 → 令和12年(2030年)12月31日まで
申告できると案内しています。
したがって、
「去年の確定申告を忘れたから、もうダメだ」
と判断する必要はありません。
ただし重要なのが、自分がどの「忘れた」に該当するのかです。
まず確認|住宅ローン控除を「忘れた」は3パターンある

住宅ローン控除の申請忘れは、大きく3つに分けて考えると分かりやすくなります。
| 状況 | 主な対応 |
|---|---|
| 初年度の確定申告をしていない | 還付申告などを確認 |
| 確定申告はしたが住宅ローン控除を入れ忘れた | 更正の請求などを確認 |
| 2年目以降の年末調整を忘れた | 年末調整の再計算または確定申告などを確認 |
住宅ローン控除は、給与所得者の場合でも最初の年分は確定申告が必要です。
一定の給与所得者については、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を受けられます。
そのため、
「初年度を忘れたのか」
それとも、
「2年目以降を忘れたのか」
を最初に確認してください。
ケース1|初年度の住宅ローン控除の確定申告を忘れた

最も多くの方が心配するのが、
「住宅を購入した翌年に確定申告するのを忘れた」
というケースでしょう。
会社員の場合、
「会社が年末調整してくれるから住宅ローンも自動的に控除される」
と思ってしまうことがあります。
しかし、住宅ローン控除を初めて受ける年分については、給与所得者でも必要書類を添えて確定申告を行う必要があります。
確定申告期間を過ぎてもすぐに諦めない
例えば、
「3月15日を過ぎてしまった!」
と気づいた場合でも、還付申告に該当するのであれば、通常の確定申告期間を過ぎただけで直ちに住宅ローン控除を受けられなくなるわけではありません。
国税庁によると、確定申告義務のない人が行う還付申告は、
対象年分の翌年1月1日から5年間
提出できます。住宅ローン控除も還付申告の具体例として挙げられています。
5年間の数え方に注意する
ここは間違えやすいポイントです。
「住宅を購入してから5年」
と単純に覚えるより、何年分の還付申告をするのかで確認してください。
国税庁の例では、
令和3年(2021年)分
については、
令和8年(2026年)12月31日まで
還付申告できます。
また、
令和7年(2025年)分
なら、
令和8年(2026年)1月1日~令和12年(2030年)12月31日
が原則的な還付申告期間です。
「数年前だから無理だろう」と自己判断せず、対象年分を確認しましょう。
数年間ずっと住宅ローン控除を申告していなかったら?
住宅購入から数年経って、
「住宅ローン控除そのものを申告していなかった」
と気づくケースもあります。
この場合も、対象となる各年分について申告可能な期間内か確認します。
国税庁の住宅ローン控除に関する資料でも、住宅購入後に確定申告をしていない場合、最大過去5年間分の年末残高情報を取得できると案内されています。例えば令和6年に住宅を購入し、令和9年3月に初めて申告する場合、令和6~8年分の年末残高情報をまとめて取得・申告できる例が示されています。
ただし、
5年間という期間を過ぎれば、いつまでも遡れるわけではありません。
申請忘れに気づいたら、後回しにせず対象年分を確認することが重要です。
ケース2|確定申告はしたが住宅ローン控除を入れ忘れた

次は、
「確定申告そのものは提出した」
しかし、
「住宅ローン控除を入れるのを忘れた」
というケースです。
これは、そもそも確定申告をしていなかったケースとは手続きが異なります。
申告した税額が本来より多かったり、還付額が本来より少なかったりした場合には、更正の請求という手続きによって訂正を求めることがあります。
更正の請求とは?
更正の請求とは、提出した確定申告の内容について、
「本来より税金を多く申告してしまった」
などの場合に、正しい税額への訂正を税務署へ求める手続きです。
国税庁によると、更正の請求ができる期間は原則として法定申告期限から5年以内です。
ただし、確定申告義務のない人がすでに還付申告をしている場合などは、期間の起算点が異なる場合があります。国税庁は、この場合には原則として還付申告書を提出した日から5年以内と案内しています。
そのため、
「住宅ローン控除を忘れた=もう一度普通の確定申告書を出せばいい」
とは限りません。
すでに申告済みなら、更正の請求に該当するか確認してください。
ケース3|2年目以降の年末調整を忘れた

住宅ローン控除は、最初の年と2年目以降で手続きが異なります。
給与所得者の場合、
初年度 → 確定申告
2年目以降 → 一定の場合は勤務先の年末調整
という流れになります。
例えば、
「会社へ住宅ローン控除の書類を提出するのを忘れた」
「年末残高証明書が間に合わなかった」
というケースです。
この場合も、すぐに控除を諦める必要はありません。
書類が間に合わなかった場合は再計算できることもある
国税庁は、年末調整に必要な住宅ローンの年末残高証明書が提出期限までに間に合わなかった場合について、
確定申告で住宅ローン控除を受ける方法
のほか、翌年1月31日までに証明書の交付を受けた場合には、勤務先へ提出して年末調整の再計算を受ける方法も案内しています。
ただし、勤務先での年末調整の処理状況などによって対応が変わる可能性があります。
年末調整に間に合わなかった場合は、
まず勤務先の給与・経理担当者へ確認し、必要であれば確定申告を行う
という順番で考えると分かりやすいでしょう。
住宅ローン控除を忘れたら最初にやる3つのこと
ここまでを整理すると、申請忘れに気づいたときは次の順番で確認します。
1|何年分を忘れたのか確認する
まず、
住宅を購入・入居した年
と、
住宅ローン控除を受けていない年
を確認します。
特に複数年忘れている場合は、年ごとに申告可能な期間を確認してください。
2|確定申告をすでにしたか確認する
次に、
その年分の確定申告を提出済みか
を確認します。
未申告なら還付申告を検討し、すでに申告済みなら更正の請求など別の手続きになる可能性があります。
3|初年度か2年目以降か確認する
給与所得者なら、
初年度=確定申告
2年目以降=一定の場合は年末調整
という違いがあります。
ここを整理すると、自分がどの手続きをすればよいのか分かりやすくなります。
住宅ローン控除を後から申請するときの必要書類
住宅ローン控除の申請を忘れていた場合でも、申告可能な期間内であれば、必要な書類を準備して手続きを進めます。
ただし、必要書類は、
- 新築住宅か中古住宅か
- 認定住宅などに該当するか
- 入居した年
- 金融機関が「調書方式」に対応しているか
- すでに確定申告をしているか
などによって異なります。
そのため、
「住宅ローン控除なら全員同じ書類」
とは考えないようにしましょう。
一般的には、住宅ローン控除額の計算明細書や、住宅・土地の取得に関する書類、住宅ローンの年末残高に関する情報などを確認します。
年末残高証明書が不要になる場合もある
住宅ローン控除の手続きは現在、従来の**「証明書方式」から「調書方式」**への移行が進んでいます。
従来の証明書方式では、金融機関から交付された住宅ローンの年末残高証明書を使って手続きします。
一方、調書方式では金融機関が税務署へ年末残高調書を提出し、国税当局から住宅ローンの年末残高情報が提供されます。
調書方式に対応した金融機関では、マイナポータル連携によって年末残高情報を確定申告書へ自動入力することもできます。
そのため、古い記事でよく見かける、
「住宅ローン控除には必ず銀行の年末残高証明書が必要」
という説明だけでは、現在の制度を正確に表せません。
自分が利用している金融機関がどちらの方式なのか確認してください。
住宅ローン控除を忘れた場合の手続き方法
初年度の住宅ローン控除を申請していなかった場合は、まず対象年分について還付申告が可能か確認します。
大まかな流れは次のとおりです。
STEP1|対象年分を確認する
住宅へ入居した年と、住宅ローン控除を受けていない年を確認します。
↓
STEP2|その年の確定申告状況を確認する
確定申告自体をしていないのか、それとも確定申告済みで住宅ローン控除だけを入れ忘れたのか確認します。
↓
STEP3|必要書類・情報を準備する
住宅・土地・住宅ローンなどに関する必要書類を確認します。
↓
STEP4|申告書を作成する
国税庁の確定申告書等作成コーナーなどを利用して申告書を作成します。
↓
STEP5|税務署へ提出する
e-Taxなどを利用して申告します。
複数年分を忘れている場合は、それぞれの年分について申告可能な期間を確認することが重要です。
e-Taxでも住宅ローン控除を申告できる
住宅ローン控除の確定申告は、e-Taxを利用して行うこともできます。
特に現在は、マイナポータル連携を利用することで、対応している金融機関の住宅ローン年末残高情報を自動入力できる仕組みがあります。
ただし、調書方式を利用する場合には、金融機関への住宅ローン控除適用申請やe-Tax側での事前準備が必要になるケースがあります。
国税庁は、調書方式に対応する金融機関について一覧を公開しています。2026年7月時点でも対応金融機関は順次更新されています。
したがって、
「自分の銀行なら自動的に連携されているはず」
と判断せず、利用している金融機関の対応状況を確認しましょう。
何年も住宅ローン控除を忘れていた場合はどうする?
例えば、
「3年前に家を購入したけれど、一度も住宅ローン控除を申告していなかった」
というケースもあります。
この場合も、
「3年前だからもう無理」
とは限りません。
第1回で説明したように、確定申告義務のない給与所得者などの還付申告は、原則として対象年分の翌年1月1日から5年間行えます。
さらに国税庁は、住宅購入後に住宅ローン控除の確定申告をしていない場合について、最大で過去5年間分の年末残高情報を取得できると案内しています。
例えば、令和6年に住宅を購入し、令和9年3月に初めて住宅ローン控除を申告するケースでは、令和6~8年分の年末残高情報をまとめて取得・申告できる例が示されています。
ただし、申告できる期間は年分ごとに確認する必要があります。
古い年分ほど期限が先に到来します。
複数年忘れていることに気づいたら、早めに確認することをおすすめします。
5年を過ぎたら住宅ローン控除はどうなる?
ここは非常に重要です。
還付申告はいつまでもできるわけではありません。
原則的な還付申告期間を過ぎている場合、
「住宅ローン控除だから特別に何年でも遡れる」
という制度ではありません。
また、
還付申告の5年
と
更正の請求の期間
を混同しないようにしてください。
確定申告そのものをしていなかった人と、すでに申告したものの住宅ローン控除を入れ忘れた人では、確認する手続きが異なります。
期限が近い、またはすでに5年前後経過している場合は、自己判断せず税務署などへ確認することをおすすめします。
住宅ローン控除を忘れたら住民税はどうなる?
住宅ローン控除は基本的に所得税から控除されます。
そして一定の場合、所得税から住宅ローン控除額を引ききれなかったときには、翌年度の個人住民税から控除できる場合があります。
ただし、
「所得税で引ききれなかった金額がすべて住民税から戻る」
という意味ではありません。
住民税から控除できる金額には制度上の条件や限度があります。
また、住宅ローン控除の適用を受けるために確定申告が必要な人は、適切に確定申告する必要があります。
住民税について具体的な確認が必要な場合は、お住まいの市区町村へ確認してください。
住宅ローン控除の申請忘れを防ぐ方法
一度手続きが終わったら、翌年以降も忘れないようにしましょう。
給与所得者の場合、初年度に確定申告を行い、一定の要件を満たせば2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を受けることができます。
年末調整の時期になったら、
「住宅ローン控除の書類は必要ないか」
を勤務先へ早めに確認すると安心です。
また、住宅ローン控除証明書を電子交付で受け取る場合は、e-Taxのメッセージボックスなども確認しましょう。
調書方式では、条件によって控除証明書がe-Taxへ格納される仕組みもあります。
住宅ローン控除を忘れた場合のチェックリスト
申請忘れに気づいたら、次の順番で確認してください。
□ 住宅へ入居した年を確認する
□ 何年分の住宅ローン控除を受けていないか確認する
□ その年の確定申告をしたか確認する
□ 初年度なのか2年目以降なのか確認する
□ 還付申告の期間内か確認する
□ 申告済みなら更正の請求に該当するか確認する
□ 利用している金融機関の方式を確認する
□ 必要書類・年末残高情報を準備する
□ e-Taxまたは税務署で手続きを進める
特に重要なのは、
「5年以内だから大丈夫」とだけ判断しないこと
です。
何年分の申告なのか、確定申告済みなのかによって手続きが変わります。
住宅ローン控除でよくある質問
1年前の住宅ローン控除を申請し忘れました。まだ間に合いますか?
確定申告義務のない給与所得者などが行う還付申告に該当する場合は、原則として対象年分の翌年1月1日から5年間申告できます。
したがって、1年過ぎただけで諦める必要はありません。
3年前でも住宅ローン控除を申請できますか?
還付申告に該当し、申告可能期間内であれば手続きできる可能性があります。
ただし、確定申告済みの場合などは手続きが異なるため、自分の申告状況を確認してください。
5年以内なら必ず住宅ローン控除を取り戻せますか?
必ずではありません。
住宅ローン控除そのものの適用要件を満たしている必要があります。
また、還付申告、更正の請求などによって期間の考え方が異なる場合があります。
初年度の確定申告を忘れたら2年目から年末調整できますか?
給与所得者が2年目以降に年末調整で住宅ローン控除を受ける仕組みは、初年度の確定申告による手続きを前提としています。
初年度の申告をしていない場合は、まず初年度分の住宅ローン控除の手続きを確認することをおすすめします。
年末残高証明書をなくしたら申請できませんか?
現在は金融機関によって手続き方法が異なります。
従来の証明書方式を利用している場合と、金融機関が税務署へ年末残高調書を提出する調書方式では扱いが違います。
まず利用している金融機関の方式を確認しましょう。
住宅ローン全体についても確認しておく
住宅ローン控除は、住宅ローンを組んだ後に確認したい制度の一つです。
しかし、住宅ローンでは控除だけでなく、
- 金利
- 返済期間
- 完済年齢
- 繰り上げ返済
- 借り換え
- 団信
- 教育費とのバランス
- 老後のローン残高
なども長期的に考える必要があります。
住宅ローン全体については、
「住宅ローン完全ガイド|返済と金利で後悔しない7つの鉄則」
でまとめています。

住宅ローンの条件も一度確認してみませんか?
住宅ローン控除の手続きとあわせて、現在の住宅ローンの金利や返済条件を確認しておくのもおすすめです。
「今の金利は高くないか」「借り換えると返済負担を減らせる可能性があるか」などを確認したい方は、住宅ローン比較サービスを利用してみましょう。
【モゲチェックで住宅ローンを無料診断する】
まとめ|住宅ローン控除を忘れたら「何年分・申告済みか」を確認する

住宅ローン控除の申請を忘れてしまっても、
すぐに「もう間に合わない」と諦める必要はありません。
確定申告義務のない給与所得者などが行う還付申告なら、原則として対象年分の翌年1月1日から5年間申告できます。
ただし、重要なのは、
「5年以内かどうか」だけではありません。
まず、
①初年度の確定申告をしていない
②確定申告はしたが住宅ローン控除を入れ忘れた
③2年目以降の年末調整を忘れた
のどれに当てはまるのか確認してください。
そのうえで、
還付申告
更正の請求
年末調整または確定申告
など、状況に合った方法を確認します。
また、住宅ローン控除の手続きは現在、従来の証明書方式から調書方式への移行が進んでいます。
古い情報だけを参考にせず、国税庁や利用している金融機関の最新情報を確認してください。
申請忘れに気づいたら、
「何年分を忘れたのか」
↓
「確定申告済みか」
↓
「申告できる期間内か」
↓
「必要な手続き・書類は何か」
の順番で確認すると分かりやすくなります。
期限が近い場合や判断が難しい場合は、早めに税務署などへ相談しましょう。



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