「A社は3,000万円、B社は3,500万円。だったらB社に頼んだほうが得ですよね?」
不動産売却では、こんな疑問を持つ方が少なくありません。
しかし、最初に結論をお伝えします。
不動産の査定額は、実際にその金額で売れることを保証するものではありません。
査定額が一番高い会社を選んだからといって、一番高く売れるとは限らないのです。
むしろ注意したいのは、売却依頼を獲得するために、相場より高い査定額を提示されるケースです。
私は不動産業界に28年以上携わってきましたが、不動産売却で重要なのは「一番高い数字を出した会社」を選ぶことではありません。
その査定額に、納得できる根拠があるかを比較することです。
この記事では、不動産査定で後悔しないために知っておきたい「査定額の嘘と真実」を7つのポイントから解説します。
1|不動産の査定額は「売却価格」ではない
まず知っておきたいのが、
査定価格=実際に売れる価格ではない
ということです。
不動産会社は、周辺の成約事例や現在販売されている物件、築年数、立地、建物の状態などを参考に査定します。
しかし、最終的に家を買うのは不動産会社ではなく買主です。
3,500万円と査定されても、その価格で買いたい人が現れなければ売れません。
逆に、需要が高いエリアや条件の良い物件なら、想定以上の価格で売れる可能性もあります。
つまり査定額は、
「このくらいなら売却できる可能性があります」という予測
として考えるのが基本です。
査定書の数字だけを見て、不動産会社を即決しないでください。
2|会社によって査定額が違うのは珍しくない
同じ家なのに、
A社は2,800万円。
B社は3,100万円。
C社は3,500万円。
このように査定結果が違うことがあります。
「どの会社か嘘をついているのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、査定方法や重視するポイント、不動産会社が持っている販売データなどによって評価が変わることはあります。
さらに、不動産会社によって得意分野も違います。
マンション売却が得意な会社。
戸建てに強い会社。
特定地域に強い会社。
投資用物件に強い会社。
だからこそ、1社だけの査定を見ても、その金額が高いのか安いのか判断しにくいのです。
査定は「1社の答えを見るもの」ではなく「複数社を比較するもの」と考えてください。
査定価格の見方だけでなく、その後の不動産会社選びや販売戦略まで知っておくことが重要です。
不動産売却の全体像は「不動産売却完全ガイド」で詳しく解説しています。
3|最も注意したいのは「根拠のない高額査定」
3社に査定を依頼して、
A社:3,000万円
B社:3,100万円
C社:4,000万円
だったら、どう感じるでしょうか。
「C社なら1,000万円も高く売ってくれる!」
と期待するかもしれません。
しかし、ここで確認すべきなのは4,000万円という数字ではありません。
「なぜ4,000万円で売れると判断したのか?」
という根拠です。
周辺の似た物件はいくらで成約したのか。
競合物件はいくらで販売されているのか。
どのような買主を想定しているのか。
どんな販売戦略で売るのか。
これらを説明できるなら、査定額には一定の根拠があります。
反対に、
「人気がありますから大丈夫です」
「うちなら高く売れます」
だけなら慎重に判断してください。
高い査定額で媒介契約を取り、しばらく売れなければ、
「問い合わせがありません」
「価格を下げましょう」
と値下げを提案される可能性もあります。
最初の査定額が高くても、最後に安く売ることになれば意味がありません。
4|査定額より「査定の根拠」を比較する
複数社から査定結果が届いたら、金額順に並べるだけでは不十分です。
最低でも次の点を確認してください。
・査定価格の根拠となった成約事例
・現在販売中の競合物件
・想定している売却期間
・最初に設定する売出価格
・値下げを検討するタイミング
・どのような販売活動をするのか
例えば、
「査定額3,000万円、3か月程度での成約を想定」
という会社と、
「査定額3,500万円ですが、半年以上かかる可能性があります」
という会社では意味が違います。
高く売りたいのか。
早く売りたいのか。
期限があるのか。
売主によって最適な戦略は変わります。
だからこそ、査定額だけではなく、自分の希望に合った売却戦略を提案してくれる会社かを見てください。
5|「1社だけの査定」が危険な理由
1社だけに査定を依頼すると、その査定額が適正なのか比較できません。
2,500万円と言われても、
本当に2,500万円が相場なのか。
別の会社なら2,800万円と評価するのか。
判断材料がありません。
もちろん、最終的に依頼する不動産会社は1社でも構いません。
しかし、最初の段階では複数社の考え方を比較する価値があります。
これは単に「一番高い会社を探すため」ではありません。
極端に高い査定と、極端に低い査定の両方に気づくためです。
複数の査定結果を見ることで、自宅のおおよその価格帯も見えやすくなります。
まず「自分の家の相場」を比較してみる
不動産売却で避けたいのは、最初に相談した1社の査定額だけを信じて売却を進めることです。
HOME4Uなどの不動産一括査定サービスを利用すれば、複数の不動産会社へ査定を依頼する方法があります。
大切なのは、一番高い査定額を選ぶことではありません。
複数の査定結果と、その根拠を比較することです。
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6|机上査定と訪問査定は使い分ける
不動産査定には、大きく分けて「机上査定」と「訪問査定」があります。
机上査定は、物件情報や周辺相場などをもとに算出する簡易的な査定です。
まだ売却を決めておらず、
「とりあえず相場を知りたい」
という段階で利用しやすい方法です。
一方、訪問査定では、不動産会社の担当者が実際に物件を確認します。
室内の状態。
眺望。
日当たり。
リフォーム状況。
土地の形状。
道路との関係。
こうした現地でなければ分からない条件も確認できます。
本格的に売却するなら、最終的には訪問査定を受けたほうが具体的な価格を検討しやすくなります。
ただし、訪問査定を受けたからといって、その場で契約する必要はありません。
査定してもらうことと、売却を依頼することは別です。
複数社の説明を聞いてから判断しましょう。
7|最後は「査定額」ではなく「担当者」まで見る
不動産売却では、会社名だけでなく実際の担当者も重要です。
どれだけ有名な会社でも、実際に販売活動を進めるのは担当者だからです。
査定を受けたら、
質問に具体的に答えてくれるか。
査定額の根拠を説明できるか。
デメリットも話してくれるか。
売却を急かさないか。
連絡がスムーズか。
こうした点も確認してください。
特に注意したいのは、
「今すぐ契約してください」
と必要以上に急かす担当者です。
不動産売却は大きなお金が動きます。
査定額、販売戦略、担当者。
この3つを比較してから依頼先を決めても遅くありません。
査定額だけでなく「誰に売却を任せるか」も重要です。信頼できる不動産営業担当者を見極めるポイントはこちらで詳しく解説しています。
不動産査定で後悔しない7つのチェックポイント
最後に、査定を受けるときのポイントをまとめます。
- 査定額=売れる価格だと思わない
- 1社だけで判断しない
- 極端に高い査定額は理由を聞く
- 成約事例を確認する
- 売却期間も確認する
- 販売戦略を比較する
- 担当者の説明力まで見る
この7つを確認するだけでも、「査定額が一番高かったから」という理由だけで不動産会社を選ぶ失敗を防ぎやすくなります。
売却期限が決まっている方は、焦って価格を下げる前に「早く売るための準備」も確認しておきましょう。
まとめ|不動産査定の「嘘」に騙されないために比較しよう
不動産査定で最も大切なのは、一番高い数字を見つけることではありません。
その数字が本当に信頼できるのかを確認することです。
1社だけでは比較できません。
だからこそ、まず複数社から査定結果を取り、
査定額。
査定根拠。
販売戦略。
担当者。
を比較してください。
そして、最も納得できる説明をしてくれる会社を選びましょう。
高額査定に期待する前に「本当の相場」を確認してください
家を売ってから、
「別の会社にも査定してもらえばよかった」
と後悔しても戻れません。
今すぐ売却すると決めていなくても、自宅の相場を知ることはできます。
まず複数の不動産会社の査定を比較し、自分の家がどの程度の価格帯で評価されるのか確認してみてください。
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